そんなこんなで、当日。


マンションの前まで、凛ちゃんが迎えにきてくれた。



「おはよ、日葵」


「おはよう〜! 暑いねぇ」



旅行カバンは車の後部座席に置かせてもらって、助手席に乗り込む。


凛ちゃんは運転席に座ると、スマホを繋いで音楽を流してくれた。



「かわいいけど、足見せすぎじゃない?」



音楽を聴いてテンションが上がっていたところに、凛ちゃんの拗ねたような声が飛び込んできた。


凛ちゃんは窓を開けながら、照れたようにそっぽを向く。



「や、ごめん、いきなり」


「あたしの足なんて誰も見ないよ〜」


「……甘いな、ひまは」



するり、と、凛ちゃんの手のひらがあたしの太ももに触れる。


肩がびくっとあがってしまう。



「触りたくなる」


「へっ……」



ど、どうしたの凛ちゃん。


まとう雰囲気が甘すぎて、クラクラする。



太ももにあった手のひらがするりと腰をなで、あたしのほっぺたをつつむ。



「柄にもなくテンションが上がってるんだ。 許して」


「んっ……」