クッションに顔をうめたまま喋ってもその声は届かなくて、これ以上なすすべがない。



「ひま、顔見せて」



きっと真っ赤だ。 見せられるわけがない。


クッションを引っ張られていた手が緩み、ホッとしたのもつかの間。



「わぁっ……!?」



体がふわりと浮いた。 浮いたというか、これは、お姫様抱っこをされてる!?



驚いた反動で、顔からクッションを離すと、飛び込んできたのは、凛ちゃんのイジワルそうな笑み。


降りたところは、ベッド。 毎日寝ているから、すぐに気づいた。



「やっと目が合った」


「り、凛ちゃんっ……」


「キスしてもいい?」


「っ、そんなこと、聞かないで……」



凛ちゃんの甘い雰囲気に耐えられない。


頭がぼうっとして、リビングにはお母さんがいることを忘れてしまいそう。



「その顔、反則すぎ」



優しく、キスがふってきて、あたしは目を閉じた。


何回か交わしたあと、頰、おでこ、首筋にも落とされる。 くすぐったい。



ふと、凛ちゃんの手のひらが胸のすぐ下にあることに気づいた。