「うんうん! わたしもそう思う!」
心音もそう言ってくれる。 だよね、旅行の間は何も気にせずに凛ちゃんの隣にいて、いいんだよね……!
凛ちゃんと電話した日から、特別会ったり話したりすることもなく、もう夏休みに突入する。
そういえば、担任は受験生に夏休みはないって言ってたっけ。 まあ、わからないこともないけど、少しくらい休ませてほしい。
「そうと決まれば、ちょっと買い物いかない?」
「なんで買い物?」
「旅行に着ていく服とか見ようよ! へへ、あたしが見繕ってあげる〜」
なんだか楽しそうな様子の楓に、心音は「かえちゃんが行くみたい」と笑う。
でもそうだな、新しい洋服ほしいな〜。
「じゃあ楓先生お願いします!」
「よし、任せて!」
そのあと、3人でショッピングセンターへと出かけた。
ーー夕方。
ふたりと買い物を楽しんで帰路につく。
マンションのエレベーターの中、袋を何個も持った自分が鏡にうつって、買い過ぎたかな……と反省した。