「えーーっ!? ほんとに!?」
終業式やHRは午前中で終わり。 あたしたちは教室に残っている。
もうこの教室で過ごすのも夏休みを除いてあと半年か〜なんて感傷に浸るわけでもなく、目の前にはキラキラと瞳を輝かせた楓と心音がいる。
「やば〜い! いいなぁ、お泊まり!」
「さすが、大人の彼氏は違うねぇ」
一応報告だけしようと思って話したけれど、ただの惚気みたいになってしまった。
遊園地に凛ちゃんが来ないこともふたりは納得してくれて、楓から橋本くんにそれとなく伝えてくれた。
「ハードル高すぎない……? ふたりきりでお泊まりって……」
思い返せば、凛ちゃんのお家に泊まったことはある。 でもそれは、まだ幼なじみという関係だったし、今回のお泊まりとは訳が違う……。
うれしいという気持ちより、どうしたらいいのという戸惑いのほうが大きい。
「まあねぇ……。 でもせっかくの機会なんだし、楽しまないともったいなくない?」
プラス思考な楓のことば。 確かに、楓の言う通りだな。