きみ以上に、好きな人はいない






そう考えるのも仕方ない。


やっぱり凛ちゃんに来てもらうのは無謀だったのかな……。


女の子たちが「先生にも来てほしいー」「邪魔なわけないよ」と口々に言っている。



「っ……!」



少し困った様子の凛ちゃんと、ばっちり目が合ってしまった。


わ、どうしよう……!



あたしが視線を泳がせていると凛ちゃんはふっとほほ笑み、口を開いた。



「じゃあ次の授業で全員が問7やってきたら返事しようかな」



イタズラっぽく笑って、そのまま教室を去っていった凛ちゃん。


あしらい方上手すぎるでしょ……!



ーーピロン。


帰りのHR中、ラインの通知が来た。


机の下でこっそりとスマホを見る。



《ひまも遊園地行くのか?》


凛ちゃんからだ。


ずるくない? あたしがいるなら、行こうとしてくれるの?


先生と生徒で遊園地に行くなんて、居心地が悪いはずだ。 断ったっていい。


それでも、あたしを思ってくれる一言がすごくすごくうれしい。