「うーん、そうかも。 想いは通じてもあたしが生徒である限りどうにもならないんだよね」


「そうだよね……」



心音までしんみりさせてしまった。


せっかく楓と楽しい話をしてたのに!



「んー、じゃあさ! 九条先生も巻き込んで夏休み楽しもうよ! だめかな?」



楓が明るく言い放った。 声が大きくて驚いたけど、もう学校の敷地内から出ていたからセーフ。


凛ちゃんも巻き込んで、って……?



「かえちゃん、どういうこと?」


「例えばー、そうだ! クラスみんなで遊園地行くから、九条先生にも来て欲しいとか!」



凛ちゃんと遊園地、すごく楽しそう……!


あたしの瞳が輝いたのに気づいたのか、楓が得意気に笑う。



「ふたりきりじゃないなら、なーんにも怪しまれないよ。 どう? 日葵、名案じゃない?」


「楽しそう! でも凛ちゃん来てくれるかな……」


「日葵がいたら来るでしょ!」



なぜか自信満々な楓。 ど、どこにそんな保証があるんだ……。