すると、また小さくため息を聞こえて、慌てて目を開ける。
「んっ」
凛ちゃんのきれいなお顔のドアップ。
びっくりしている間に、凛ちゃんが離れていく。
「学校だし、これだけで我慢」
人差し指を口元に当て、色っぽくほほ笑む凛ちゃんにノックアウト。
き、キスされた……。
「これからどっか行くのか?」
「…………」
「日葵?」
「は、はいぃっ!」
なにその返事、と笑われる。
凛ちゃんはとっくにあたしから離れ、いつものイスに腰掛けている。
大人の余裕だなぁ……。
ふと、ある疑問が浮かんで考え込む。
「り、凛ちゃん……」
「ん?」
「あたしたちは両思いということでいいの……?」
「そうだよ」
「じゃあ、付き合うことになる……?」
そうだ。 凛ちゃんと想いが通じ合ったと浮かれていたけど、お付き合いはどうなるのだ、と。
凛ちゃんはコーヒーを一口飲んで、困った顔で笑う。
「ううん、それはできない」