きみ以上に、好きな人はいない






凛ちゃんがあたしたちの隣に住んでいたのは、彼が高校を卒業するまでだった。


県外の大学に進学したけど、毎年お正月には帰省していたから、あたしも年に1回は会ってたんだ。



今年のお正月は、忙しくて帰って来れなかったんだけどね。 だから、今日凛ちゃんと会うのは、正確に言うと1年3ヶ月ぶりになる。



あたしと凛ちゃんは5つ離れている。


中学生になったと思えば、凛ちゃんは高校最後の年を迎えていた。



また、隣の家に凛ちゃんが暮らして、毎朝優しい笑顔を見ることができたらすごくうれしいなと思う。


でも、凛ちゃんは社会人で、両親と暮らそうという気持ちはない。


そして、これからは自分のお給料で生活していくんだよね。



おとな、だなあ。


歳の差を実感するよ……。



今までとこれからのことを考えていたら、お母さんにふふっと笑われた。



「もう、なあに?」