「それで……なんでしたっけ?
あー、そうそう。琉生が嫌な思いしてるんじゃないか、でしたよね?」
「うん……」
シュン…としながら頷く衣緒さんを見て、まるで子犬みたいと愛しく思ってしまう。
いかんいかん。
今、衣緒さんは悩んでるんだから。
「その心配はいらないと思いますよ」
「なんで?」
「だって琉生、なんだかんだ楽しそうだし」
毎日琉生に告るために会いに来る衣緒さん。
琉生はため息をついて嫌々そうな顔をしてるけど、本気で嫌ってわけじゃなくて。
本気で嫌だったら、「もう二度と来ないでください。迷惑です」とか言うはずだし。
思い切り拒否ってない様子を見ると、琉生は衣緒さんのこと受け入れてんのかなって思う。
これは、俺の勘だけど。