春川くんの意味不明な叫び声は、茜色の空にとてもよく響いた。 その空は、さっきよりも優しく柔らかく微笑んでいるようだった。 「好き」と伝える。 そのルールはこれからも変わらない。 それは私にとって、とても大切なものなんだから。 私のこの大切な初恋は、叶えるためにあるんじゃない。 私が“ここにいたい意味”としてあるんだ。 叶わない。実らない。 そんなこと最初からわかっている。 だけど、何度も何度も伝えるのは―――……。