愛言葉






私が琉生くんを傷つける人間なのかどうか、判断している。


的確に、見極めているんだ。





「琉生くんは優しい友達を持って、幸せだね」



「な、なんでわかったんすか」






あからさまに動揺している春川くん。


さっきの上手な作り笑顔とは打って変わって、“素”を見せている。






「見ればわかるよ。春川くん、真っ直ぐな瞳してるから」






どんなにお調子者っぽくしても、チャラけた様子を見せても、


春川くんの茶色い瞳は、揺らぐことなく真っ直ぐだから。






「……っ」


「あれ?どうしたの?」





いきなり顔が赤くなった春川くんに、私は首を傾げる。



夕日のせい、かな?赤く見えるのは。