「何をためらうんすか?」
突然聞こえてきたのは、知っている声。
だけど、琉生くんではない。
どこから聞こえてきたんだろう。
キョロキョロ周りを見渡すと、「こっちっすよ、こっち!」と給水タンクの上から声が聞こえてきた。
私は給水タンクの上の方を見てみると、顔をこちらに覗かせている一人の姿が見えた。
「あ!春川くん!!」
「どーも、北村先輩♪」
そこにいたのは、琉生くんの親友の春川くんだった。
春川くんは、かっこよく給水タンクの上から下へ飛び降りた。
その姿はまるで自由な鳥のようで、とてもかっこよかった。



