愛言葉

「わかってたから……言っときたかったんだ」



「え？」





「すっぱり振られるために、さ」






そのとき見せた斎藤くんの笑顔は、辛そうではなくて、逆に清々しいくらい爽やかで。


思わずその笑顔に見とれてしまった。






「ありがとな、北村。
　おかげですっきりした」



「私こそ、ありがとう。気持ち、すっごく嬉しかった」








嬉しかったけど、やっぱりダメなの。


私の心を揺らすのは、やっぱり彼なの。





琉生くん……。





この恋は、最後まであきらめない。


そう誓ったんだ。





恋に気づいた、あの日に。