初めて人から、「好き」って言われた。 家族以外の人に、初めて。 「あ、えっと……」 ダメだ、ドキドキがうるさくて声が震える。 斎藤くんは、返事を待ってるのに。 斎藤くんは勇気を振り絞って伝えてくれた。 だったら私も、その勇気に敬意を示して、ちゃんと返事をしなくちゃ。 「ごめんなさい!」 私は深々と頭を下げて、そう言った。 初めて告白されても、やっぱり頭を離れなかった。 こびりついて、離れなかった。 離れてほしくなかった。 だから、余計に顔が熱くなったの。