先輩もすごいとは思うけど、斎藤くんだって頑張ったはずだ。
どんなところでもいつも一生懸命で、頑張り屋な斎藤くんだもん。
絶対に、斎藤くんの力が勝利を呼んだんだ。
もちろん、斎藤くんの力だけじゃないけどね。
私が全力で褒めると、斎藤くんは少し困ったように照れた。
短髪がよく似合う斎藤くんの表情は、さっきよりも柔らかかった。
「それで、私に何か用かな?」
「あの、さ……!」
緊張がほぐれたところで、私は聞き直した。
斎藤くんは、ギュッと拳を握り、真っ直ぐ私を見つめてくる。
「俺、去年から……」
茜色の空が、なんだか眩しく見えた。
反射する光が、目に鋭く入ってくる。



