「――掃除終わり~~!」 やったぁ、と小さく喜んでいる桃葉。 掃除道具を片付けて、帰る支度しなくちゃ。 「き、北村!」 「……はい?」 掃除道具を片付けていると、いきなり声をかけられた私。 反射的にビクッとなって、振り返ってみると、そこには1年の時同じクラスだった男子が。 「久し振り。どうしたの?」 1年の時にまあまあ仲が良かった男子の斎藤くん。 特別親しい、ってわけではなく 斉藤くんは誰にでも優しくて、フレンドリーなんだ。 だから消極的だった私とも、仲良くしてくれた。