「うふふっ」
「衣緒、まーた静野琉生について考えてるでしょう?」
「ギクッ」
「……ギクッて言っちゃうところが、衣緒らしい」
若干呆れつつ、桃葉は苦笑した。
私は、あはは…と照れながら笑う。
琉生くんのこと考えちゃうと、ついにやけちゃう。
初恋だから、そういう理由も少なからずあるとは思うんだけど、やっぱり一番は……
幸せだから、かな。
好きな人がいて、友達と騒いで。
こういう何気ない日々が、キラキラしてて。
そういう時間が、私にとってはすごく大切な宝物みたいに思えるんだ。
琉生くんのことが頭に浮かぶたび、胸の中がポカポカ温かくなっていく。
幸せって、そういうことでしょ?



