……あれ?
琉生くん、もうあんな遠くにいる。
駅に着くまで並んで歩いてたけど、あんなに早く歩いてたっけ?
もう少しゆっくりしてた気が………。
ハッ!と、さりげない琉生くんの優しさに気づいた。
「……琉生くん」
琉生くんは、私の歩く速さに合わせて歩いてくれてたんだ。
だから気づいたら、隣に琉生くんがいて、並んで歩いてたんだ。
……琉生くん、優しすぎだよ。
私のこと、嫌いなら…なんとも思ってないなら、そんなに優しくしなくてもいいんだよ?
どうしてそんなに優しくしてくれるの?
そう聞いても、返ってくる答えなんて当たり障り無いような言葉なんだろうけど。
私にとって琉生くんの優しさは、この想いを積もらせていく源のようなもので。