だけど、その願いはすぐに崩れてしまった。
楽しい時間ほど短く感じてしまうのは、どうしてなんだろう。
駅に着いてしまった。
もう少し琉生くんと一緒にいたかったなぁ。
「じゃあ、俺はここで」
「あ、……うん。
それじゃあ、またね琉生くん!」
落ち込んだ様子を見せたのは、一瞬だけ。
すぐに笑顔を向けて、そう言った。
「好きだよ、琉生くん」
「知ってますから。…じゃ」
琉生くんは冷たくそう言い残して、私に背を向けて歩き出した。
琉生くんの背中が遠ざかっていく。
もう少し一緒にいたいというわがままが、大きくなっていくのを感じた。



