私はお母さんお手製のお弁当を持って、誰も使っていない机をふたつ借りて、桃葉とランチ。
ふと、開いている窓から気持ちのいい風が入ってきて、桃葉の栗色のボブの髪が揺れる。
その風は、私の胸の少し上あたりまで伸びた茶髪も揺らした。
「早くしないと、昼休み終わっちゃうよ」
ニヤニヤしながら、桃葉はそう言って私をからかう。
私は少しだけ頬を赤らめて、
「わかってるよー」
と照れていることを隠しながら言った。
私はお弁当を食べるスピードを少し上げて、箸を進めた。
私にとって昼休みの時間は、
とても貴重なものなんだ。
「ごちそうさまでした」
食べ終わったのは、お昼休みが終わる15分前。
時計を見て時間を確認し、ホッと肩を下す。
間に合った。