さすがに、もうわかる。 俺は心の準備をしておいた。 「何かあった?」 しかし、先輩が放ったのはそんな言葉で、俺の予想は外れてしまった。 え……? 「なんか……辛そう」 辛い?俺が? 本気で心配してくれている先輩の表情に、心臓が揺れた気がした。 「別に、なんでもないっす」 「それならいいんだけど……」 辛くなんか、ねぇよ。 ただ少し、昔のことを思い出しただけだ。