「――琉生くん!!」 屋上に続く階段の途中、後ろから声が聞こえ振り返ると、今日会うのが二回目になる北村先輩がいた。 少し息が荒くなっている先輩。 「こんなところに……いたんだね……」 肩で呼吸をしている先輩が心配になって、俺は階段を二段だけ登った先輩の元に近づいた。 「大丈夫すか?」 「ちょ、ちょっと走っただけで……。体力ないね、私」 あはは、と乾いた笑顔を向ける先輩。 ちょっと走っただけ? それだけで、こんなに息が荒くなるのか? 「探しちゃったよ。教室に行ってもいないんだもん」