生きている人々全員に、必ず明日があるわけではないけれど
病気を患っている人には特に、保証されてはいないんだ。
今生きていることが、こうやって好きな人と話せていることが、まるで奇跡のようなもの。
私がいるのは、ベットがひとつしかない個室。
私は、とても重い病気を患っている。
だから私には時間がなく、未来を想像することすら怖い。
琉生くんと両思いになっても、もし私が死んでしまったら……そう考えると辛くなる。
「そんなの関係ないっす」
「……関係あるよ。もしかしたら私は明日死ぬかもしれないんだよ!?」
「関係ないですよ。
先輩のことが好き。それだけじゃないですか」
ポロッと流れ落ちた涙が、言っている。
素直になれ、と。



