「琉生くん…… 琉生くんっ、 ……琉生くん!」 何度大好きな人の名前を叫んだって、琉生くんは……… 「なんすか、先輩」 来ない、はずでしょ? なのにどうして、琉生くんの声が聞こえるの? 幻聴?空耳? だったら、これは何?幻覚? 今琉生くんが、目の前にいる―――。 「どうして……?」 目を見開いて驚く私は、泣きたくなる衝動をグッとこらえる。