「琉生くん……っ」
好き。大好き。
もっと伝えたかった。
もっと琉生くんと過ごしていたかった。
いくつも過る願いが、日差しによって溶けていく雪のように消えていく。
胸の苦しみをどうやって紛らわしたらいいのかさえ、わからない。
もう二度と会えないのかな。
琉生くんに想いを伝えることは、もうできないのかな。
琉生くんのそばにいたい、なんて
思っちゃいけないのかな?
永遠なんて存在しないとわかっている。
それでも私は、ずっと琉生くんのそばにいたかった。
「琉生くん」
こうやって彼の名前を呼んでも、もう返事はしてくれない。