そう言われて、俺は廊下の端へ行く。 どうやらさっき先生に、今教室を出る許可をもらったようだ。 俺に何か話すことでもあるのだろう。 「あの、先輩は……」 「多分、もう学校には来れないよ」 ……え? 学校には来れない? 金井さんの言葉をすぐには理解できなかった。 意味がわからなかった。 「ねぇ、今まで衣緒があんたになんて告白したか覚えてる?」 「え?」 「今まで『好き』って衣緒が言ったあと、何か言ってた?」 「好き」という言葉のあと……? 金井さんは俺の表情を見て、「やっぱり」と呟いた。