クリスマスの日には言えなかった、想いを。 今度こそ。 気づいたら、この感情が心にあった。 知らぬ間に、俺は先輩に惹かれていた。 恋とはなんて厄介なんだ。 時間も条件も何もいらない。 気づいたときにはもうすでに、好きになっていたんだ。 「私と出会ってくれてありがとう」 「先輩、俺……!」 「それと」 俺が気持ちを伝えようと口を開いたと同時に、先輩は少しだけ声を大きくして言った。 俺は言おうとした言葉を呑み込んで、先輩を見つめる。 ――ドクン…… 嫌な予感がした。