「おはようございます」
「おはよう。琉生くんに会いに来たの」
俺に挨拶をした先輩は、隣の志恩にも挨拶をして、また俺へと視線を戻した。
久し振りに先輩と会うからなのか、嬉しいという感情が俺の心を支配する。
「琉生くん、ちょっといい?」
「なんすか?」
「琉生くんと話がしたくて」
話……?
先輩の声は落ち着いていて、静かな朝の廊下によく響いた。
「じゃあ俺先行くわ」
「あ、あぁ……」
志恩は俺とすれ違うとき「後で詳しく聞かせろよ」と囁いて、教室へ入っていった。
「ねぇ、琉生くん。屋上行かない?」
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