「志恩、宿題は終わったのか?」
「数学なんもやってねえ」
「……おい」
数学が一番量多かったじゃねぇか。
お前は冬休み中、何をしてたんだ。
「ま、なんとかなるっしょ」
「はぁ……」
志恩らしいと言えばらしいけど。
志恩はなんの心配もせずに、歩いている。
いつだってこいつは、こう呑気な態度を取ってやり過ごしてきた。
「宿題、手伝わないからな」
「げ、まじ!?」
「頼る気満々だったのかよ……」
志恩の反応にまたため息をこぼした。
まあ志恩は、俺が手伝わなくたとも、なんだかんだ自分で頑張るんだけどな。



