「おっはよー、琉生!」
登校中、後ろから俺に元気よく挨拶をしてきたのは、志恩だった。
「はよ、志恩」
俺は志恩を見ずに、挨拶を返す。
志恩にはクリスマスの日の出来事を全て話してある。
ていうか、志恩が聞いてきた。
「衣緒さん、もう大丈夫なんかなー?」
志恩は後ろ頭に手を回して、晴れ晴れとした空を見上げて言った。
空はあんなに晴れていても、やっぱり冬だからか、今日は一段と冷え込んでいる。
「さあ……どうだろうな」
「今日会えるといいな、琉生」
志恩は俺の肩をポンと優しく叩き、俺より数歩前を歩く。
俺は小さく微笑むだけで、何も返事はしなかった。



