直接感じる、先輩の震え。 その震えは、まるで先輩の叫びのようで。 俺はその全てを守るように、ギュッと包み込んだ。 『琉生くん……?』 『怖いなら、俺がずっと一緒にいます。俺がそばにいますから』 二人なら、怖くないだろ? 先輩は決して一人ではないことに、気づいてほしい。 先輩には、俺がついている。 『だから、安心してください』 『琉生くん……ありがとう』 先輩の震えが、止まっていく。 冷たかった先輩の肌に、温もりが帯びていく。