――1時間目が始まった。 最初の授業は、数学だった。 「ここの公式は………」 先生の声。 チョークの音。 シャーペンの音。 机が揺れる音。 今響いている“音”全てが、遠く感じた。 眠いとか、そんなんじゃない。 ただ、遠く感じただけなんだ。 ちゃんと耳には届いてる。 だけどその音の存在が、見つからないような。 音よりも、この光景よりも、授業よりも、意識している物があるような。 不思議な感覚。