志恩が先輩の幸せを本当に願っている。
今の志恩の言葉で本当にそう思ったから、俺はそのことを教えた。
その時に想いを伝える。
そのことを教えたんだ。
「クリスマスに?ふーん、琉生もやるなぁ」
「あっちが誘ってきたから……」
「照れなくていいって」
「照れてねぇし」
志恩はまるで自分のことのように、嬉しそうにニヤついていた。
志恩が文化祭の日何があったか教えなくても、俺は大体のことは予想していた。
だからこそ、俺は先輩に想いを伝えるんだ。
志恩が先に勇気を出したなら、今度は俺の番。
志恩に背中を押されたっていうのが、むかつくけどな。
「頑張れよ、琉生」



