――キーンコーンカーンコーン 昼休み終了のチャイムが鳴り響く。 「じゃあ私、教室にもどるね。バイバイ、琉生くん」 「先輩、」 体調気をつけてくださいね。 俺がそう言う前に、先輩は俺に背中を向けて歩き出した。 先輩が遠ざかっていく。 距離が広がっていく。 ずっと遥か遠くへと先輩が離れていくような気がして、 俺は怖くなった。 『それに、私には時間がないから』 ふと、体育祭のときに北村先輩が言っていた言葉を思い出した。