心の底から愛しいと、思えてしまうくらいに。
「体調はまだ完璧じゃないんだけど、琉生くんに会いたくて来ちゃった」
「大丈夫なんすか?」
「平気平気。大丈夫だよ」
先輩は目を細めて、俺にそう言った。
「大丈夫」の言葉。
前に先輩は、「魔法の言葉」と言っていたっけ。
俺だけなのかな。
今の先輩が、とても切なそうに見えるんだ。
こんなにも嬉しそうに幸せそうに微笑んでいるのに、
先輩の瞳が潤んでいるように見えるんだ。
理由はなにもわからないけど、
どうしてか先輩の肩が震えている気がして。
助けを求めている気がして。



