俺は英語のノートを机の中から取り出して、志恩に渡した。 志恩はすぐに俺のノートを写し始めた。 「琉生のノート、見やすっ」 「もうこれで最後だからな」 「はーい」 志恩のだらけた返事に、俺は確信した。 また宿題とか忘れるな。 ……そして、もう二度と志恩の“一生のお願い”は効かない。 「――つーか、今日衣緒さん遅くね?」 ノートを無事写し追え、昼食も食べ終わった頃。 志恩が教室にある時計を見ながら、そう呟いた。 「確かに」 いつもならもう、俺の名前を読んでいる頃だ。