一歩ずつ、屋上から離れていく。 衣緒さんから、離れていく。 体温が、熱い。 今朝からずっと、苦しいくらいだ。 目を閉じれば、衣緒さんの笑顔。 あんなに泣くくらい先輩のことが好きだったんだ。すぐに想いを消すなんて、無理だ。 徐々に消えていけば、それでいい。 想いが消えるのはいつになるかわからないが、 俺の恋は、終わったんだ。 だんだんと空がオレンジ色に染まっていく。 青色が消えて、時間は戻らない。 今日の出来事が、過去になり、思い出になるだけだ。