やっと声にした想い。
そう伝えたら、スーッと気持ちが軽くなった。
清々しい風が吹く。
なんて心地の良い風。
胸の痛みを和らげてくれそうなくらい、穏やかな風だった。
「……え?」
「大好きです。
俺じゃ、ダメっすか?」
前に衣緒さんが告白されてた時、衣緒さんは告白を断る側の気持ちを知った。
その時、とても苦しんでいた。
琉生のことを気遣って。
もしかしたらこの告白で、また衣緒さんを苦しめるかもしれない。
でも、俺は衣緒さんの心の強さに賭けた。
この胸の痛みも、今想いを告げた意味も、衣緒さんなら全てわかってくれる気がするんだ。



