先輩の声のトーンが、少しだけ上がったのがわかった。 本音を言うと、今日は琉生の名前を呼ばないでほしかった。 でもそれを言ったら、わがままにも程があるから。 グッと、我慢する。 「せ、…んぱい」 振り返った琉生は、目を見開いて口元を方手で隠した。 ……俺と同じこと思ったんだろうな。 ――衣緒さんの白雪姫姿が可愛い、って。 「どうしたの?」 「な、なんでもないっす」 琉生、隠しきれてないぞ。 耳元が真っ赤だ。 俺並に。