「――あぁ、怖かった~!」 「でも、楽しかったっすね」 「だねっ」 お化け屋敷を出て、衣緒さんはすぐに俺から腕を離す。 「ずっと掴んでたね。ごめんね」 「いや、いいんすよ。怖がってる先輩、可愛かったすよ」 「えー、怖がってるとこなんて可愛くないよ」 衣緒さんは笑いながら否定する。 本当に可愛かったけどな。 何か小さな音がしただけで、腕を掴む力が強くなる。 明るい場所で、見たかった。 衣緒さんの表情。 さっきまで、どんな表情だったのだろうか。