……こういう反応を見ると、切なくなるな。
俺のこと、なんとも思ってないって思い知らされる。
衣緒さんは、琉生一筋だからな……。
今日だけは、俺のものって思ってたけど。
衣緒さんにとっての俺は、ただの後輩。
わかっていたけど、正直辛い。
「次の方、どうぞ」
ついに俺らの番になった。
衣緒さんの肩がビクッと震える。
ガラッと扉が開き、冷たい空気が肌に触れる。
エアコンでもつけてんのか?
外からの光が一切遮断され、唯一の光は先ほど渡されたライトのみ。
衣緒さんの歩くスピードが、だんだんとゆっくりになっていく。



