愛言葉






三年生のあるクラスの出し物のお化け屋敷。


まだ文化祭は始まったばかりだというのに、もう既に列が出来ている。






「キャーーッ!!」



お化け屋敷をしている教室内からは、さっきから悲鳴が聞こえてくる。





「そんなに怖いのかな、ここ……」



若干怯えながらも、衣緒さんは教室の外見をまじまじと見る。




教室の外見も、ところどころ心霊写真のような写真が貼られてある。


しかも、怖い演出として音楽も流している。




結構なクオリティらしい。






「怖くなったら、俺の腕掴んでいいですからね」



ていうか、そうしてくれたら嬉しいし。






「うん、ありがとう!」





衣緒さんは恥ずかしがる様子もなく、俺に笑顔を向けた。