衣緒さんと会えて嬉しい感情が、すぐにスーッと溶けていく感覚に堕ちる。
衣緒さんの今の姿を見た瞬間、胸に熱い何かが流れた気がした。
「い、衣緒さん、その格好……」
「あ、これ?どう?可愛いでしょ、白雪姫のコスプレ」
衣緒さんは自分が着ている衣装をヒラヒラさせながら、そう言った。
そういえば、衣緒さんのクラスの出し物は『白雪姫喫茶』だった……。
くそ、やられた。
会った瞬間また、彼女に恋に落ちた。
こうやって何度も何度も、繰り返し……彼女に恋していく。
抗ってももがいても、自分ではどうしようもできない、恋の病。
「……はい」
衣緒さんの白雪姫姿に、もう顔は熱い。



