「琉生」 「ん?」 「文化祭終わったら、お前の番だからな」 「……志恩……」 「てか俺ら急がねぇと、チャイム鳴っちまうぜ?」 「あ、あぁ……。そうだな」 「早く行こうぜ!」 琉生は俺が言った言葉を気にしながらも、グラウンドへ急いだ。 俺がわざと琉生の言葉にややかぶせながら、話題を無理やり変えた理由、 琉生は気づいているだろうか。 ここから先は、自分で知っていかなければならない。 本当は全て自分で知らなくちゃいけねぇんだけど、……背中を押すくらいならいいだろう。