「衣緒さんと文化祭、琉生の分まで楽しむから。安心して、琉生は琉生で文化祭楽しめよ」
何がわかったのかはっきり言う代わりに、俺はわざとそう言った。
琉生の眉がピクッと動き、不機嫌な顔へと変わっていく。
「……あっそ」
「あ、琉生は衣緒さんいないと楽しめないか。ごめんごめん」
「ウザイ。それ以上何も言うな」
「うわ、ひどっ」
ホントに琉生は素直じゃねぇな~。
その態度からして、やっぱり俺の予想は当たっているようだ。
もっと衣緒さんの前で素直になってたら、もしかしたら文化祭一緒に回れたかもしれねぇのに。
でもま、今回は俺の方が行動が早かったけど。



