愛言葉







一限の体育のため、グラウンドへ移動中の俺ら。



俺はめんどくさそうな顔をしている琉生に、声をかけた。







「………」



「な、なんだよ。ジロジロ見て」






俺は琉生の目をただ黙ってジーッと見つめた。




……俺の予想だと、琉生は多分――。







「ん、わかった」



「は?」




「まだ予想だけどな」




「だから、何がわかったんだよ」






琉生は「目見ただけじゃねぇか」と呟きながら、腑に落ちない顔で俺を見る。



俺は詳しいことは何も話さずに、フッと笑みをこぼす。