「はよ、琉生」 珍しくいつもより遅い時間に登校してきた琉生に、俺はにっこり笑顔で挨拶をする。 琉生は欠伸をしながら「はよ」と、呟くように返した。 「琉生、俺さ」 「ん?」 「文化祭、衣緒さんと回ることになった」 「……は!?」 俺の言葉で一気に目が覚めたのか、ぱっちりした目で琉生は俺を見た。 やっぱり驚くよな。 「俺が誘ったら、回ってくれることになった」