春川くんがどうして私を誘ったのか、わからない。 だけど誘った理由は、とても大切な気がして。 とても、深い気がして。 どうしても春川くんの視線から振りほどけなかった瞳を、足元に落とす。 琉生くんと一緒にいたかった気持ちを、抑える。 文化祭の日だけ。 ……でも私にとって、一日離れることは、すごく寂しくて。 でも……それでも。 「春川くん、文化祭楽しもうね」 私には悔いてる時間はないから。