「琉生のアホ。意気地なし。最低!」
志恩は裏声で、まるで女のように言ってきた。
めんどくせぇ…。
「言ってろ」
「琉生~~~!頼むぅぅぅ」
俺が席から立って窓際に行こうとしたら、すがりつくように志恩が俺の腕を引っ張った。
「自力でやれ」
「無茶言うなよ~~」
無茶じゃねぇ。
志恩はやればできるのに、俺以上のめんどくさがりで宿題とか滅多にやらない派。
中学の時なんて、宿題出さなさすぎで夏休みの課題を多くさせられていたっけか。
「お前、高校生になったんだから、少しは自分でやれよな…」
「俺は高校生になっても、自分を変えない主義だ」
「胸張って言うな」