一度でいいから、琉生くんに可愛いって言ってもらいたい。 そんなわがままが、文化祭をより一層楽しみにさせてくれる。 「ま、頑張ってください」 「頑張るよっ」 絶対言う気ないな、琉生くんは。 でも、言わせてみせる! ……無理かもしれないけど、頑張る。 ――キーンコーンカーンコーン 響き渡るチャイム。 もう昼休みが終わってしまった。 琉生くんといる時間も……。 なんで楽しい時間って、あっという間なんだろう。